マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

長く苦しく重い病気の化身に自分はなりうるという事実を

 人生経験を十分に積んでいる人たちの中には――
 いわゆる、

 ――医者ぎらい

 が少なからず含まれています。

 それは――
 とても自然なことです。

 なぜならば――

 長く苦しく重い病気というのは――
 たいていは、

 ――医者の姿

 をして現れるからです。

 自分が長く苦しく重い病気にかかっていることを自分に告げるのは――
 ほとんどの場合、医者ですよね。

 いわゆる、

 ――告知

 ということです。

 その結果――
 長く苦しく重い病気というのは――
 そういう病気があることを告げた医者の姿として具現化されてしまう――

 これは――
 もう、人情として、どうしようもないことで――

 それゆえに――
 現在、医師として働いている者は――あるいは、将来、医師として働きたい者は――
 長く苦しく重い病気の化身に自分はなりうるという事実を――
 甘んじて受け入れる覚悟が必要です。

 長く苦しく重い病気の化身ですから――
 嫌われて当然なのです。

 もちろん――
 そのようにして、いったん長く苦しく重い病気の化身になった後で――
 その立場から、いかにして脱していくかは、個々の医者の力量にかかっています。