10年ほど前に書いた自分の文章を読んで――
思わず笑ってしまいました。
――下らねえことを書いてるな。
と自虐的ないし自己嫌悪的に冷笑したのではなくて――
そこに書かれていることが本当に面白おかしくて――
思わず心の底から笑ってしまったのです。
まあ、「下らねえこと」に変わりは、ありませんでしたが――
……
……
よく考えたら――
当たり前なのです。
その文章を書いたのは――
10年ほど前の自分であり――
その過去の自分と今の自分とで――
いわゆる“笑いのツボ”が大きくズレているということは、ちょっと考えにくく――
よって――
10年ほど前の自分が書いた文章を読んで、今の自分が思わず笑ってしまうのは――
ある意味、とても自然なことだといえます。
いえます、が――
……
……
なんというか――
……
……
思いがけず――
清々しい気分になりました。
とにかく読み手を楽しませようとする純粋な気持ちから――
あれこれ工夫を凝らして書いていた10年ほど前の自分を――
思い出したからです。