――あの人は、なぜウソばかりつくのか。
といわれる人がいます。
本人にウソをついている自覚はありません。
本人としては――
ただ、誤った情報や不確かな情報を自信に満ちた口調でいっているだけなのです。
では――
なぜ謝った情報や不確かな情報を自信に満ちた口調でいえるのか――
それが問題です。
つまり――
冒頭の「あの人は、なぜウソばかりつくのか」との問いは、
――あの人は、なぜ誤った情報や不確かな情報を自信に満ちた口調でいえるのか。
との問いに書き換えるのがよいでしょう。
……
……
なぜ、そんなことがいえるのか――
……
……
――本人の性格がイイカゲンだから――
で片付けることもできますが――
実際のメカニズムは――
おそらくは、もう少し複雑です。
僕は、
――誤った情報や不確かな情報であっても、それらを自信に満ちた口調でいわなければ、自分自身が社会で生き残れない、と考えているから――
ではないか、と――
思っています。
そのように考えた結果、今も生き残っている人々が――
社会で多数派を占めるとき――
その社会は――
正しい情報よりも誤った情報が採択され、確かな情報よりも不確かな情報が重視される社会となります。
これが――
いわゆるポスト真実(post-truth)の社会でしょう。