――努力は必ず報われる。
と――
僕は思っています。
――努力が報われないのは、努力が足りないからだ。
と考える向きがあるそうですが――
そうではなくて――
僕は、
――努力は、多少にかかわらず、必ず報われる。
と思っています。
――努力が多ければ、多く報われて、努力が少なければ、少なく報われる。
と――
……
……
思うに、「努力が報われないのは、努力が足りないからだ」との考え方は、
――少ない努力に釣り合わないほどの報われ方を期待してはならない。
とする戒めです。
たしかに、その通りで――
少ない報いに不満を感じて、さらに努力をするというのは、もちろん、あってよいのですが――
その逆の発想――
すなわち、少ない報いに満足し、あえてそれ以上は努力をしないというのも、また、あってよいのです。
……
……
こう述べると、
――「努力は必ず報われる」ということは、「無駄な努力は存在しえない」ということか。
と訝られることがあります。
そうではありません――「無駄な努力」は確実に存在します。
それは、
――多少なりとも報われていることに気づかず、「まったく報われていない」と勘違いをして、むやみやたらと躍起になって行う努力
――その結果、自分の心を醜く歪めてしまう努力――「私は、こんなにも努力をしているのに、まったく報われないのは、世の中が間違っているからだ!」と息巻いてしまう努力
です。
努力の報われ方に無頓着な努力は、
――無駄どころか有害
といってよいと思います。