色気には、
――体の色気と心の色気とがある。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
このように――
色気を2分割にすると――
(では、これら色気は互いに独立なのか)
ということが――
気になってきます。
つまり――
体の色気は心の色気に全く依存せずに成立しうるのか――
心の色気は体の色気に全く依存せずに成立しうるのか――
ということですね。
……
……
おそらく――
独立ではないでしょう。
心の色気を感じさせない人が体だけで色気を感じさせるということは――
よほど凄腕の女優・男優でもない限りは、まず、ありそうにないですし――
色気のある言葉から視覚的な色気を何ひとつ想像させないということは――
よほど厳密な想像の仕方をする人が相手でもない限りは、不可能です。
ですから――
色気をあえて2分割にする意義は、そんなにはないようにも思えますが――
独立ではないからといっても――
これら色気が相異なる様相をもっていることは、否定しようがありません。
ですから――
もし、自分の色気を効果的に操りたいのなら――
その差異は明瞭に理解しておくことです。
それを理解せずに、やみくもに色気を醸し出そうとしても――
巧くいくはずはありません。
例えば――
恋文に自分の外見の特長を書き込んでも、巧くいくはずはありません。
また――
不潔な身なりで異性を優雅に口説いても、巧くいくはずはありません。