マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

チャランポランなのに巧くいく

 何ごともチャランポランなのに――
 なぜか巧くいく――

 周囲の人たちから、いかにも軽くみられていそうなのに――
 なぜか高く評価されている――

 そういう人が――
 稀にいます。

 そういう人は、しばしば、

 ――もっと真剣にやれば、もっと凄く巧くいくのに……。

 と残念がられます。

 が――
 当人は、どこ吹く風――

 一向にチャランポランをやめようとしません。

 ――もったいない。

 と、周囲の人たちは呆れます。

 ……

 ……

 そんな人を――
 僕らは、どのようにみたらよいでしょうか。

 ただの怠け者――
 とみて、よいでしょうか。

 稀有の才能に恵まれているのに、ほとんど努力をしないから――
 せっかくの大輪の花が咲ききらず、中途半端に開いてしまっている――
 と――

 ……

 ……

 そうではありません。

 ……

 ……

 そういう人は――
 あえてチャランポランでいるからこそ、巧くいっているのです。

 その人が――
 もし、ある日、突然、根つめだして、何ごとかをギチギチとやり始めたら――
 決して、それまでのように巧くはいかないのです。

 力みすぎて、こだわりすぎて――
 ちょうど良い塩梅を通り越してしまう――

 それをよくわかっているからこそ――
 その人は、あえてチャランポランでいるのです。

 ……

 ……

 大輪の花が中途半端に開いているようでいて――

 実は、本来そういう形の花である――
 ということですね。