マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

郷土愛の不思議

 ――郷土愛

 というのは――
 よく考えたら不思議です。

 ――郷土

 とは――
 自分が生まれ育った土地を指します。

 ――故郷

 といいかえてもよいでしょう。

 その“土地”に愛情を感じたり、愛着を抱いたりすることを、

 ――郷土愛

 といいます。

 郷土愛の不思議は――
 愛情や愛着の対象が“土地”であることです。

 愛情や愛着の対象が“人”や“人々”であるのは、何ら不思議なことではありません。

 が――
 なぜ“土地”までもが、“人”や“人々”と同じように、愛情や愛着の対象となるのか――

 ……

 ……

 やはり、

 ――関わり

 が主因なのでしょう。

 “人”や“人々”に愛情を感じたり、愛着を抱いたりするのは――
 それら“人”や“人々”と何らかの形で継続的に交流してきたからに違いありません。

 つまり――
 関わりを持ち続けてきた――

 ……

 ……

 同じように――
 “土地”とも、関わりを持ち続けているのです。

 その“土地”の空気を吸って、吐き――
 その“土地”で育った食物を摂取し、排泄する――

 あるいは――
 その“土地”での様子を感覚情報として入力し――
 その“土地”への適応を運動情報として出力する――

 つまり、

 ――郷土愛

 が芽生えるのは――
 その“土地”と物質や情報を何らかの形で継続的に交換してきているからこそである――

 そんな気がします。