マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

化学進化説が興味深い理由

 ――生命は、地球上の物質が、30億年以上の歳月をかけ、互いに化学反応を繰り返した結果、存在している。

 という化学進化説に――
 僕は、

 ――倒錯的な関心

 を抱いているのかもしれない――
 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 化学進化説は、もっともらしいアイディアだけで構成されているために――
 今後、いかにも新たな実験や観察によってスカッと否定されそうな仮説であり――
 僕は、その、

 ――いかにも否定されそうなところ

 に関心を抱いているのではないか――
 ということです。

 科学研究の現場では――
 しばしば、

 ――もっともらしい仮説

 は否定されるのですね。

 とはいえ――

 ……

 ……

 科学史を振り返ってみると、

 ――もっともらしい仮説

 の全てが――
 スカッと否定されてきたわけではありません。

 むしろ――
 否定されなかった事例の方が多いに違いないのです。

 もっともらしい仮説が否定されれば――
 それは、科学史上の大事件ですから――
 人々の記憶に残りやすい――

 が――
 否定されなければ――
 人々の記憶には残りにくい――

 (そりゃぁそうだろう)
 と思われて――
 おしまいです。

 ……

 ……

 今後――
 もし、化学進化説が否定されれば――

 学界は――
 少なくとも以後30年くらいは、

 ――生命の起源

 の研究を驚嘆の目で注視するようになるでしょう。

 が――
 もし、パンスペルミア説などの対抗仮説が否定され、化学進化説が否定されずに残れば――

 学界は――
 おそらく、

 ――生命の起源

 の研究に、ほとんど注視しなくなるでしょう。

 今後――
 学界全体からの注目を浴びうるか否か――

 その命運を握っている、という理由で――

 化学進化説は――
 (なかなかに興味深い)
 と――

 僕は思っています。