マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「古細菌」にふさわしい呼称

 ――「古細菌」は「古菌」でもよいのではないか。

 ということを――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 が――

 それとは別に、
 (本当は、「古細菌」も「古菌」も適当ではない)
 とも思っています。

 「古細菌」という呼称は、

 ――これまで知られていた細菌よりも、生物進化の観点からみたときに、古い細菌である。

 という理解をもとに用いられていました。

 実際には、それは誤解であったわけです。

 細菌と古細菌とは生物進化的には別系統といったほうがよく――
 もし、古細菌を、

 ――古い

 とみなすならば――
 細菌も、

 ――同じくらいに古い

 とみなす必要があります。

 ――細菌だって、古細菌と同じくらいに古いのだから、「古細菌」と呼称すべきだ。

 などといいはじめると――

 もう、何が何だか、わけがわからなくなりますね(苦笑

 ところで――

 ……

 ……

 すぐにおわかりのように――
 以上の問題は、

 ――古細菌

 を、

 ――古菌

 と置き換えたところで――
 何ら解決はされません。

 この問題の根源は――
 古細菌を、

 ――これまで知られていた細菌よりも、生物進化の観点からみたときに、古い細菌である。

 と誤って理解していたところにあるのですから――
 当然です。

 よって――
 僕らは、もはや「古細菌」や「古菌」の、

 ――古

 からは――
 離れるのがよいでしょう。

 おとといの『道草日記』で述べたように――
 細菌も古細菌も、どちらも原始生命から近い段階で分化したと考えられています。

 このことを重くみるならば――
 古細菌の呼称は、

 ――細菌

 と類似の言葉が適当です。

 ……

 ……

 ――微菌

 というのは、どうでしょうか。

 ――細

 の類義語として、

 ――微

 を挙げることによります。

 ――微細

 の「微」です。

 同様に考えると、

 ――繊菌

 というのも――
 挙げられるかもしれません。

 ――繊細

 の「繊」です。

 とはいえ――

 ……

 ……

 以上の話は――
 日本語圏――さらにいえば、漢字文化圏――にしか通用しません。

 英語圏については――
 別に考える必要がありますね。