――人は、気分が浮き上がっているときは、余計なトラブルを招きやすい。
ということ――つまり、気分の浮き上がりの問題について――を――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
気分の浮き上がりは――
もちろん――
第一には、気分が浮き上がっている人自身の問題ですが――
第二には、気分が浮き上がっている人の周囲にいる人たちの問題です。
気分の浮き上がりは――
かなり人の心理に精通した人でない限り――
なかなか自覚できません。
気分の沈み込みは――
簡単に自覚できるのですが――
気分の浮き上がりは、まず気づけない――
周囲の人たちから指摘されて辛うじて気づける程度です。
……
……
きのうの『道草日記』で――
僕の医学生時代の失敗談をしましたが――
あのとき――
指導医から褒められて自分の気分が浮き上がったことを――
僕は全く自覚できていませんでした。
自覚できたのは――
大学を卒業して、大学院も卒業して――
病院で働き始めて7年くらいが経ってからです。
当時を振り返って、
(あ――あのときの僕は気分が浮き上がったんだ)
と思いあたったのですね。
が――
たぶん指導医は、すぐに気づいたでしょう。
本人は気づきにくいが――
周囲は気づきやすい――
それが、
――気分の浮き上がり
なのです。
よって――
気分の浮き上がりが招く余計なトラブルは――
本人の周囲の人たちが十分に注意をすることで――
予防できます。
医学生時代の僕のミスは――
取り返しのつかない失敗にはなりませんでした。
そうならなかったのは――
たぶん――
指導医が、僕の気分の浮き上がりに、いち早く気づき、用心をしたからです。