マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

創作のバランス

 ――創作のバランス

 について――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ――創作のバランス

 というのは――

 創作のプロになる上で必須の感覚なのだそうです。

 

 ある作家さんが――

 こうおっしゃっていたのをきいたことがあります。

 

 ――新人作家というのは、たいていはバランスが悪い。何かを書きすぎていて、何かを書かなさすぎている。

 と――

 

 ……

 

 ……

 

 (いいえて妙だ)

 と思いました。

 

 僕自身――

 自分が10代の頃に書いた小説――実際には「小説もどき」――を読み返してみて、

 (たしかにバランスが悪い)

 と思ったことがあります。

 

 が――

 そのバランスの悪さは、同時に、その作品の個性であり、強みともなりうるのです。

 

 先ほどの、

 ――新人作家はバランスが悪い。

 というのを――

 真に受けてはダメなのです。

 

 その真意は、

 ――才能の豊かな新人作家は、最初はバランスが悪い。

 です。

 

 ――才能が豊かではない新人作家は、最初から、そこそこのバランスがとれてしまっている。

 です。

 

 そういう視点で――

 もう一度、自分の作品を振り返ったとき――

 僕は思いました。

 

(そこまでバランスは悪くないな)

 

 ……

 

 ……

 

 そのとき――

 

(創作のプロを目指すなら、これは大問題だな)

 と思ったものです。

 

 今から20年ほど前――

 30歳前のことです。