マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自然科学の発展の格言

 自然科学の肝は、

 ――実験や観測の技術

 にあります。

 

 自然科学の営みの本態は、

 ――仮説を立て、実験や観測を行い、その仮説の妥当性の検証を経て、新たな仮説を立てる。

 という点にあります。

 

 それは――

 自然科学の発展の歴史を振り返れば明らかです。

 

 自然科学の発展は、

 ――ブレイクスルー(breakthrough)

 と、

 ――パラダイム・シフト(paradigm shift)

 との繰り返しといえます。

 

 ――ブレイクスルー

 とは、

 ――実験や観測の技術の革新

 です。

 

 例えば、

 ――以前なら、とうてい採れるとは思われていなかったデータが採れるようになった。

 などの画期的な技術改良です。

 たいていは、科学技術的な障壁の突破(breakthrough)が背景にあります。

 

 ――パラダイム・シフト

 とは、

 ――常識や前提の書き換え

 です。

 

 例えば、

 ――以前なら、誰も思い付きもしなかったような考えが、新たな当たり前になっている。

 などの新奇な発想の定着です。

 たいていは、自然科学における規範の転換(paradigm shift)が随伴をします。

 

 ここで見逃せないのは、

 ――ブレイクスルーなくしてパラダイム・シフトなし。

 ということです。

 

 新奇な発想が定着をするには――

 それに見合うだけの斬新で奇抜な技術改良が必要なのですね。

 

 20世紀アメリカの天文学者・作家のカール・セーガン(Carl Sagan)は、いわゆる超常現象を巡る自然科学的な態度について、

 ――並外れた主張には並外れた根拠が必要である(Extraordinary claims require extraordinary evidence)

 との格言を残しました。

 

 ――並外れた主張

 に、

 ――パラダイム・シフト

 を当て、

 ――並外れた根拠

 に、

 ――ブレイクスルー

 を当てれば、

 ――パラダイム・シフトにはブレイクスルーが必要である。

 となります。

 これは、自然科学の発展の格言そのものです。