――パラダイム・シフト(paradigm shift)にはブレイクスルー(breakthrough)が必要である。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
これが、
――自然科学の発展の格言
である、と――
……
……
本当に、そうなのです。
自然科学の発展を自分の身近でみたいのなら――あるいは、自分自身の手で自然科学に発展をもたらしたいのなら――
パラダイム・シフトを追いかけてはいけないのですね。
ブレイクスルーを追いかけないといけない――
……
……
次のブレイクスルーが、自然科学のどの領域で起こりそうかを嗅ぎ分ける――
嗅ぎ分けることができたら――
そのブレイクスルーを自分の手で起こすつもりになって――
自然科学のその領域に分け入っていく――
……
……
もし、パラダイム・シフトを追いかけていたら――
テンポが1つ遅れるのです。
次のパラダイム・シフトが、自然科学のどの領域で起こりそうかを嗅ぎ分けているうちに、先にブレイクスルーが起こるでしょう。
あるいは、嗅ぎ分けようとする前に、すでにブレイクスルーは起こっていたりする――
そうすると――
そのブレイクスルーに自分自身が関われる可能性は、ほぼゼロです。
そして、もちろん――
先乗りをしていた他の者たちの手によって、パラダイム・シフトが成し遂げられ――
その様子を、自分は、少し離れたところから、ただ指をくわえて、みているだけになる――
……
……
よって――
パラダイム・シフトを追いかけていてはいけないのです。
追いかけるなら、ブレイクスルーがよい――
……
……
が――
多くの自然科学者たちは溜息まじりに、こう、いいます。
――ブレイクスルーを追いかけられたら、苦労はしない。
……
……
――ブレイクスルー
は突然に起こります。
次のブレイクスルーが、自然科学のどの領域で起こるかは――
実際には、なかなか嗅ぎ分けられない――
自然科学の厳しい現実です。