マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“脳内配線”がわかっていない

 ――“ヒトの神経系の形態”は、厳密には、ほとんどよくわかっていない。

 ということを――

 11月1日以降の『道草日記』で繰り返し述べています。

 

 その「ほとんどよくわかっていない」ということの中核は――

 おそらくは、

 ――脳内配線

 です。

 

 ――脳内配線

 とは何か――

 

 ……

 

 ……

 

 ――ヒトの神経系

 で中心的な役割を果たしていると考えられているのは、

 ――脳

 です。

 

 ヒトの脳は、約 1,000 億個の神経細胞の集まりと考えられています。

 

 それら神経細胞のほとんどは、互いに接続をしていて――

 信号のやりとりを、適宜、行っていると考えられます。

 

 その信号のやりとりの集積が、

 ――ヒトの神経系の機能

 であり、

 ――人の精神の本態

 であると信じられています。

 

 信じられているだけで――

 なぜ信号のやりとりが精神の活動であるのかを巧く説明できた人はいません。

 

 ヒトの脳では――

 1個の神経細胞が、少なくとも 1,000 個くらいの他の神経細胞と接続をしていると考えられています。

 

 ところが――

 どの神経細胞が、どの神経細胞と、どんなふうに接続をしているかは――

 十分には、わかっていないのです。

 

 もちろん――

 ある部位の神経細胞の集団が、他のどの部位の神経細胞の集団と接続をしているのか――

 そのおおよその傾向なら、わかっています。

 

 が――

 すべての部位について、各々どの部位と接続をしているのかは、よくわかっていません。

 

 つまり――

 これまでに見落とされてきている接続が数多くあるに違いないと考えられているのです。

 

 これら神経細胞うしの接続のことを――

 今、

 ――配線

 と呼ぶことにしましょう。

 

 つまり、

 ――脳内配線

 とは――

 脳を成している全ての神経細胞について――

 それら神経細胞が各々どのように接続をされているのかの実態です。

 

 ――脳内配線

 がわかっていなければ、

 ――ヒトの神経系の形態

 がわかっているとは、到底いえません。

 

 神経細胞うしの信号のやりとりの集積が、

 ――ヒトの神経系の機能

 であり、

 ――人の精神の本態

 であると信じるならば――

 肉眼で捉えられる神経系の外観が、いくら精密にわかったところで――

 あまり意味はないのです。