脳を含む神経系について、
機能 = 演算 + 記録
= 体験
の図式を得る――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
そう述べた後で――
(なんか違うな)
と思いました。
(和じゃなくて、積じゃないか)
と思ったのです。
つまり、
機能 = 演算 × 記録
= 体験
ではないか――
ということですね。
なぜ、和ではなく、積といえそうなのか――
その問いへの答えは――
例えば、
――演算を欠く記録
とか、
――記録を欠く演算
とかいう事象を考えると、だいぶわかりやすくなります。
脳を含む神経系において、“演算を欠く記録”というのは、おそらく、精神に体験をもたらさないでしょうし――
また、“記録を欠く演算”についても、おそらく、同様のことがいえるでしょう。
そうであるならば、
機能 = 演算 + 記録
= 体験
は、おかしい――
これだと、“記録を欠く演算”や“演算を欠く記録”でも体験の基盤となりえてしまう――
それは、ありえない――
よって、
機能 = 演算 + 記録
= 体験
ではなく、
機能 = 演算 × 記録
= 体験
であろう――
そう直観をしたのです。
一方――
体験に関しては、
(2つの項の和で表せるのでは?)
と思っています。
3日前の『道草日記』で述べたように――
精神の活動において、
――体験
とは、
――感覚の体験
ないしは、
――感覚の体験への反応の体験
でした。
つまり、
機能 = 演算 × 記録
= 感覚の体験 + 反応の体験
です。
この図式が成り立つことは、
――感覚の体験を欠く反応の体験
や、
――反応の体験を欠く感覚の体験
が決してありえないわけではないことと符合をしています。