――たとえ一方的に侵攻をされた場合であっても、その侵攻に対して軍事的な抵抗を試みれば、いわゆる戦争となって大勢の軍人や民間人が殺されるので、軍事的な抵抗は試みずに、降伏をするのがよい。
というような主張をしている識者がいるということを――
3月13日の『道草日記』で述べました。
その後、激しい論争になっていました。
論点をあえて1つに絞るとすれば、
――筋を通して戦争を挑むか、筋を曲げて戦争を避けるか。
の違いなのでしょう。
筋を通すから戦争を挑み――
筋を曲げないから戦争を避けられない――
……
……
――筋を通す。
というのは、
――論理的に正しいことや道義的に合っていることだけを受け入れる。
ということです。
――筋を曲げる。
というのは、
――論理的に誤っていることや道義的に間違っていることでも受け入れる。
ということです。
今回のロシア政府によるウクライナ侵攻の状況をみても――
たしかに、筋は通っています――少なくとも、どちらも筋を曲げていない――
ウクライナ政府の首脳部のいうことは、もちろんのこと――
ロシア政府の首脳部のいうことでさえ、筋は通っているのです――
ただし、ロシア政府の首脳部のいうことについては、かなりの予備知識を仕入れてからでないと、なかなか「筋は通っている」とまでは感じられません。
そして――
ウクライナ政府の首脳部もロシア政府の首脳部も――
筋を曲げることができなから、なかなか戦争をやめられないのでしょうね。
――筋を曲げてでも戦争を避けるか。
それとも、
――戦争を挑んででも筋を通すか。
難しい判断です。
……
……
僕個人は、
――筋を曲げる。
のが苦手です。
嫌いでもあります。
ひとたび筋を曲げたら、その後、際限なく筋を曲げ続けることになる――
それが嫌なのです。
とはいえ――
ひとたび戦争を始めたら、その後、際限なく戦争を続けることになる――
――戦争
が、
――人々の殺し合い
である、ということに着目をすれば――
――筋を曲げない。
ということに固執をしているわけにもいきません。
難しいところです。
本当に難しい――