マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

話しあいに強い人:増やすのに 10 年ないし 30 年かかる

 話しあいの代表者を、

 ――選挙

 ではなく、

 ――くじ引き

 で選ぶ仕組みが――

 いま、ヨーロッパの国々(くにぐに)で、実際に試みられている――

 と、きのう、のべました。

 

 この仕組みの良いところは、

 ――話しあいの代表者

 に変な権威(けんい)が生じない点ですが――

 

 悪いところは、

 ――話しあいの代表者

 が、

 ――話しあいに強い人

 とは限(かぎ)らない点です。

 

 ダラダラと話しあいをつづけるだけで――

 いつまでたっても、何も決められないかもしれない――

 

 ……

 

 ……

 

 この仕組みの“悪いところ”を直していくには――

 どうしたらよいでしょうか。

 

 簡単(かんたん)です。

 

 ――話しあいの代表者

 を、

 ――くじ引き

 で選んでも、

 ――話しあいに強い人

 が数多く選ばれるように――

 

 ――話しあいに強い人

 の数を増(ふ)やすことです。

 

 5月16日に、のべた通り、

 ――話しあい

 とは、

 

 1)相手の話をよくきく

 2)相手の話をふまえ、自分や自分たちの話をきちんとする

 3)自分や自分たちの話をきちんとした上で、さらに相手の話をよくきく

 

 の、くりかえしです。

 

 そして――

 5月18日に、のべた通り――

 1)から3)のうち、1)と3)とが難しいのですね。

 

 つまり、相手の話をよくきくことが難しい――

 

 相手の話をよくきくには――

 さまざまなことを知って、わかっている必要があります。

 

 そのためには、たくさんの本を読んだり、いろいろなテレビ番組をみたり、ラジオ番組をきいたり、インターネットで物事をくりかえし調べたりすることが必要です。

 

 そのように――

 さまざまなことを知って、わかっておくには――

 少なくとも 7 ~ 8 年は必要です。

 

 人によっては、10 ~ 30 年はかかる――

 

 つまり、

 ――話しあいに強い人

 を増やすには、10 ~ 30 年くらいかけて根気よく取り組んでいかなければならない――

 

 これは――

 おそらく、とても大変なことです。

 

 が――

 

 ――話しあいの代表者

 を、

 ――くじ引き

 で選んでも、

 ――話しあいに強い人

 が数多く選ばれるようにするには――

 

 本気で取り組まなければならないことなのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』