マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

物心がつくまでの時間

 ――暗黙知(あんもくち)

 の、いちばん簡単(かんたん)な例として、

 ――人の顔を見わけること

 が挙げられる――

 と、おととい、のべました。

 

 一方で、

 ――暗黙知

 が、

 ――7年の壁(かべ)

 とか、

 ―― 10,000 時間の壁

 とかいったものに関わっているかもしれない――

 と、きのう、のべました。

 

 ということは――

 

 人は、

 ――人の顔を見わけること

 が、できるようになるまでに、

 ――7年

 とか、

 ―― 10,000 時間

 とかいった期間を必要とする――

 ということになります。

 

 が――

 

 この、

 ――7年

 というのは、ちょっと変ですよね。

 

 たとえ、生まれたての赤ちゃんであっても――

 人の顔を見わけられるようになるまで7年もかかるということは――

 ちょっと考えられません――7才になるまで、人の顔が見わけられない、ということですから――

 

 が――

 

 ―― 10,000 時間

 というのなら、そこまで変ではないでしょう。

 

 というのは――

 人が、この世に生まれ出てから、いわゆる物心(ものごころ)がつくまでの時間が、だいたい

 ―― 10,000 時間

 ではないか――

 と考えられるからです。

 

 この「10,000 時間」には寝ている時間がふくまれません。

 

 起きている時間だけで、

 ―― 10,000 時間

 ということです。

 

 ……

 

 ……

 

 ――物心がつく

 というのは、ごく簡単(かんたん)にいってしまえば、

 ――自分の周りの物事や人の心の働きなどがわかるようになる。

 ということです。

 

 たいていの人は――

 いちばん古い記憶(きおく)が残っているころに物心がついている――

 と考えられます。

 

 ……

 

 ……

 

 みなさんの、いちばん古い記憶は、いつごろですか。

 

 ぼくは、4 才のころです。

 

 自分の親に向かって、

 「きょうから、ぼく、4 才?」

 と、きいた記憶が残っています。

 

 よって――

 ぼくは、だいたい 4 才のころに物心がついていると考えられます。

 

 そのころまでの起きている時間の合計は、どれくらいでしょうか。

 

 一日当たりの起きている時間を、0 才から 4 才までについて、

 

  0 ~ 1 才:3 時間

  1 ~ 2 才:6 時間

  2 ~ 3 才:9 時間

  3 ~ 4 才:12 時間

 

 と見つもると――

 4 才までに起きている時間の合計が、だいたい 10,000 時間になります。

 

 つまり、0 才から 1 才までは、

  3 × 365 = 1,095 時間

 であり、1 才から 2 才までは、

  6 × 365 = 2,190 時間

 であり、2 才から 3 才までは、

  9 × 365 = 3,285 時間

 であり、3 才から 4 才までは、

  12 × 365 = 4,380 時間

 であるので、

  1,095 + 2,190 + 3,285 + 4,380

  = 10,950 時間

 です。

 

 これは、だいたい、

 ―― 10,000 時間

 と、みなせます。

 

 なお――

 1 年間は 365 日とみなしました――うるう年のことは考えていません。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』