マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

物事の創り方:暗黙知の具体例(3)

 ――暗黙知(あんもくち)

 には、

 ――意識(いしき)の働かせ方

 ――世の中の捉(とら)え方

 ――体の動かし方

 ――外国語の使い方

 がある――

 と、きのうまでに、のべました。

 

 いずれも、

 ――体験をくりかえすことによって、自然に知ったり、わかったりすること

 です。

 

 どれくらいの時間にわたってくりかえせばわかるかというと、

 ―― 10,000 時間

 です。

 

 ほかに、どのような暗黙知があるでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――物事の創(つく)り方

 があります。

 

 例えば――

 人々の生活に役立つ道具を新たに作り出したり――

 人々の感動をさそう物語を新たに作り出したり――

 

 ――物事の創り方

 には、おおざっぱにいって2つあります。

 

 ――目に見える物の創り方

 と、

 ――目に見えない事の創り方

 との2つです。

 

 ――人々と生活に役立つ道具

 は、

 ――目に見える物

 です。

 

 直接(ちょくせつ)、手に取ったり、さわったり、動かしたり、場合によっては、においをかいだり、口に入れたりすることもできます。

 

 ――おいしくて栄養のある食べ物

 や、

 ――すばやく遠くへ行ける乗り物

 も、

 ――目に見える者

 です。

 

 一方、

 ――人々の感動をさそう物語

 は、

 ――目に見えない事

 です。

 

 直接、手に取ったり、さわったり、動かしたりすることはできませんが――

 間接的に見たり、聞いたり、活かしたり、楽しんだり、助けられたりすることができます。

 

 ――だれもが口ずさむ音楽

 や、

 ――世の中の取り決め事

 も、

 ――目に見えない事

 です。

 

 ――目に見える物

 を新たに作り出すのと、

 ――目に見えない事

 を新たに作り出すのとでは――

 いっけん、まったく別なのですが――

 

 実は、そんなに違(ちが)いはしません。

 

 それまでにない新たな物事を――

 それまでにある古い物事から広く、深く学んで作り出すという意味で――

 

 ――目に見える物の創り方

 と、

 ――目に見えない事の創り方

 とは同じなのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』