ある数学の理論(りろん)が――
今後、世界中の数学者たちによって、どのようにあつかわれていくのかを、きちんと見きわめていくことができれば――
数学が、はたして本当に科学(かがく)であるのかどうか――
だいぶ、あきらかになるはずである――
と、きのう、のべました。
つまり――
みなさんは、
――数学は本当に科学か。
という大問題に決着が付きつつある時代を――
いま生きているのかもしれない――
ということなのですね。
このように考えていくと――
その「ある数学の理論」というのが、どんな理論で、どんな数学者によって、どんな方法で発表をされたのか、ということが――
ちょっと気になってはきませんか。
ひょっとすると――
みなさんが、いま取りくまないといけない算数の問題よりも、ずっと気になってきているかもしれませんね。
そんな「ある数学の理論」のようなことに関心をもつことは――
みなさんが、これから算数や数学の勉強を進めていく上で――
実は、とても大切なことなのです。
それは、いま世界中の数学者たちが、どのようにあつかうべきなのか、多かれ少なかれ、まよっているような理論なのです。
そのような理論に関心をもつことに、どんな意味があるのか――
もちろん――
まだ 10 才くらいになったばかりのみなさんが――
そんな理論について、どんなに一生懸命(いっしょうけんめい)に勉強をしたところで、理解ができるようになるとは、ちょっと思えません。
ぼくは、みなさんより 40 年くらい長く生きていますが――
それでも――
この理論については、まったくといってよいほどに理解ができておりません。
実は――
理解をしようと、ちょっとだけ、がんばってみたのですが――
ムリでした(笑
……
……
そんな理論であっても、
――関心をもつことが大切である。
と――
ぼくは、みなさんに、いっているのです。
なぜか――
……
……
それは――
ぼくが、みなさんに、
(なるべく早いうちから、生きた学問に関心をもってほしい――)
と思っているからです。
……
……
つづきは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』