10 才くらいのみなさんに、なるべく早いうちから、生きた学問(がくもん)に関心をもってほしいと思うのは、学校に楽しく通ってもらいたいからである――
と、きのう、のべました。
例えば――
いま――
ある数学の理論(りろん)が、
――数学は本当に科学(かがく)か。
という大問題に決着を付けつつあるかもしれない――
ということにも関心をもってほしい――
ということは、おととい、のべました。
……
……
その「ある数学の理論」について――
ぼくは、きょうまで、あえて具体的には触(ふ)れてきませんでした。
それは――
その理論が、
――生きた学問
を示(しめ)す例の一つにすぎず――
この理論を知らないままでも、
――生きた学問
に関心をもつことは十分にできるからです。
が――
せっかくですから――
この「ある数学の理論」について、きょうから、ほんの少しだけ具体的に、のべましょう。
――ほんの少しだけ具体的に――
と注意書きをつけたのは――
ぼくが、この理論について、きちんとは理解をしていないために、
――十分に具体的に――
は、のべることができないからです。
本当は、この理論について、きちんと理解をした上で、十分に具体的に、のべていきたいのですが――
それは、おとといも、のべたように――
ムリでした。
原書の論文がインターネットで公開をされているので――
どんなことが書かれているのかをみてみたのですが――
ぼくには、とうてい読みこめそうにありませんでした。
この理論の全体がわかるようになるには、数学者であっても、軽く 2 ~ 3 年はかかるそうです。
ぼくは数学者ではありませんから、たぶん、少なくとも 20 ~ 30 年はかかるでしょうね、きっと――(笑
……
……
さて――
それでは――
その「ある数学の理論」というのは、どんな理論なのか。
それは――
ごく簡単(かんたん)にいってしまえば、
――掛(か)け算と足し算との絡(から)みあいをほどく理論
です。
――宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論
と呼(よ)ばれています。
つづきは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』