マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

掛け算から始まっている算数・数学(1)

 ――足し算ではなく、掛(か)け算から始まっている算数・数学

 というのが、もし、あるとすれば――

 それは――

 例えば、

  1、2、4、8、16、……

 という整数の在(あ)り方に気づかれることによって始まる算数・数学である――

 と、きのう、のべました。

 

 そして――

 そのようにして始まる算数・数学では、

 

  2 = 1 + 1

  3 = 2 + 1

  4 = 3 + 1

  5 = 4 + 1

   :

   :

 

 という足し算の代わりに、

 

  2 = 1 × 2

  4 = 2 × 2

  8 = 4 × 2

  16 = 8 × 2

   :

   :

 

 という掛け算が――

 無意識(むいしき)に行われているはずである――

 とも、のべました。

 

 ……

 

 ……

 

 いま、

 ――掛け算から始まっている算数・数学

 というのは――

 例えば、

  1、2、4、8、16、……

 という整数の在り方に気づかれることによって始まる算数・数学である――

 といいましたが――

 

 実は――

 そのような算数・数学のことをのべるには――

 そもそも、

  1、2、4、8、16、……

 という数字――ぼくらが小学生のころから馴(な)れ親しんできた数字――を使うことが、できません。

 

 なぜかというと――

 

  1、2、4、8、16、……

 という数字は――

 当然のことながら、

  1、2、3、4、5、……

 という整数の在り方に基(もと)づいて決められている数字であって――

 それら、

  1、2、3、4、5、……

 という整数の在り方は、あくまでも、

 ――足し算から始まっている算数・数学

 のなかで気づかれた在り方であるからです。

 

 つまり、

 ――掛け算から始まっている算数・数学

 のことをのべようと思ったら――

 そもそも、

  1、2、3、4、5、……

 という数字――ぼくらが小学生のころから馴れ親しんできた数字――ではなくて――

 それらに代わる数字――まったく新しい何か他の数字――を使わなければならないのです。

 

 『10歳の頃の貴方へ――』