人と人との縁は、まことに奇妙なものだと思っております。
もう二度と会わないだろうと思っていたら、また会ってしまったりとか――
長い付き合いになるだろうと思っていたら、すぐに別れてしまったりとか――
どうにもなりませんね。
人知を超えた力が差配しているとしか思えない。
二十代の頃は――
そのような力は、気のせいだろうと思っておりました。
人間の妄想の一種に違いない、と――
そんな妄想に翻弄される自分を苦々しく思ってもおりました。
今も、そうした考えに大きな変化はありません。
が、少し見方が変わってきています。
(そのような妄想に翻弄されるのも決して悪くはない)
と思うようになったのです。
つまり、人知を超えた力に身を任せる自分を、おもしろおかしく見つめ直す気になった、ということでしょうか。
はたして――
この先、誰と出会い、誰と別れるのか――
先がよめない恐さはあります。
別離の悲しみもあります。
が――
基本的には人生の楽しみの一つだと思うのです。