マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

時間の貧乏性

 どうも最近――
 時間に追われて困っています。
 なぜ、こうなるのでしょう?

 やることが沢山あるわけではないのです。
 自営業ですから――

 文筆業は自営業です
 それも、わりと自由がきくほうだと思います。
 日々のスケジュールを自分で決められるのが、最大の強みです。

 もっとも――
 文筆だけで食べていくのは、かなり大変ですが……。

 それはさておき――
 社会人は皆、時間に追われています。
 専業主婦の方々だって例外ではありません。それなりに時間に追われている。
 最近では専業主婦を社会人とみなす見解が増えていますから、当然のことですね。

 つまり――
 人は、親元を離れ、自活すれば、誰しも時間に追われるのです。

 が、子供は違います。
 逆に時間を追っている。暇を持て余しているということです。

 子供の特権です。

     *

 ところが――
 私は、暇を持て余した経験が、ほとんどありません。

 ――うお~! 退屈だ! 誰か、やることをくれ~!

 と叫んだ記憶は、小学校1年の夏休み以来、ないといっていい。
 一見、ボケっとしていても、退屈ではなかったのです。
 物語を考えていましたから――

 が、それを母にはわかってもらえず、苦労しました。
 暇そうな息子を、母は目の敵にしたのです。

 ――勉強しなさい、運動しなさい。

 のオンパレードでした。

 苦痛でしたね。
 その苦痛を思わず抑圧してしまったくらいに、苦痛でした。

 苦痛の抑圧というのは――
 暇にならないうちに、やることを自分から探していってしまう性分になったことです。
 加えて――
 そうやって探しあて、やり始めたものを、意外と長続きさせてしまう性分も――

 おかげで、色々な特典を手にしました。
 他の人には滅多にできない経験もしています。

 が、そのために、時間の貧乏性になったことも事実です。

(もっと放っておいてくれれば、よかったのに!)
 と、今では思います。

 あくまで結果論です。

 私だって、当時は、まさか本当に文筆業に就くとは思ってもいませんでした。
 母が、あれこれと気を回したのは、至極、当然のことといえるでしょう。

 人生、何が起きるかわかりませんね。
 これから先も何が起きることやら――