マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

『13歳のハローワーク』

 村上龍さんの『13歳のハローワーク』(2003年、幻冬社)を買いました。

 以前から気にはなっていたのですよね。
 今後、ちょっと仕事で必要になりそうなので――
 購入を決意しました。

     *

 十代の人たちと接していると、
(――ああ、この人は、まだ、どうやって生きていくのか、わかってないんだな)
 と感じることがあります。
 むしろ、感じないほうが珍しい。

 こう書くと、

 ――お前はどうなんだ! どうやって生きていくのか、わかってるのか!

 と怒りだす人もいそうですが……。

 もちろん、僕は、

 ――人生、手探りだ。

 と思っております。

 ――どうやって生きていくのか

 など、本当のところは、最期までわからないと思っております。

 が、そうもいっていられないのが現実です。
 十代の人たちの中には、本当に何もわかっていない人がいるのですね。
 人生の手探りの仕方すら、わかっていないということです。

 村上さんは『13歳のハローワーク』の巻頭で、

 ――この本では選択肢だけを示しています。

 と述べておられます。「選択肢」というのは、世の中の職業のリストです。

 たぶん、

 ――まずは手探りの仕方を身に付けようね。

 ということでしょう。
 この種の本としては、まことに誠実な企画態度といえます。

 意外に厚い本です。
 500ページ近くあります。
 値段も3000円近く――

 なのに122万部も売れたとか――
 何だかんだいって、良書は売れるのですね。

 はまのゆかさんの温かみ溢れるイラストが印象的です。