マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

この優勝の価値

 いい試合でした。
 そして、嬉しい結果です。

 ワールド・ベースボール・クラシックWBC)決勝戦の日本×キューバは 10-6 で日本の勝利に終わりました。
 野球の初代世界王者は日本です。

     *

 今日の日本がみせた野球は、紛れもない日本野球でした。

 こういうと、驚かれる向きもあるでしょう。
 たしかに、今日の日本はミスが多発しました。そこだけを挙げれば、明らかに日本らしくない野球です。

 が、よくみると、どのミスも人間らしいミスだったのですね。
 人間の知性や意識で防げない――人間なら、いつかはやってしまう――そういうミスです。
 それを、組織の力で、よくカバーできたのだと感じます。
 精神的に支持し合っている日本選手の姿が印象的でした。

 先発の松坂投手の投球も万全ではなかった――どちらかといえば調子は悪かったはずです。
 が、今日の日本は松坂投手の個人技に頼り切りではありませんでした。早めの継投で、キューバ打線の反撃を要所で防ぎます。
 そういう意味でも、組織の力で勝ったといえます。

 だから――
 TVでみているだけでも、すごく気持の良い試合でした。
 世界に誇れる野球だと思います。

 もちろん、終盤までハラハラドキドキの試合展開でしたが――それも楽しみのうちですよ。
 最高級のエンターテインメントといえます。

 この優勝は大きい――
 日本の野球界にとってはもちろんですが、それだけではありません。

 世界の野球界にとっても――
 第1回WBCの優勝トロフィーを、国威発揚とも無縁で、拝金主義とも疎遠な日本野球が手にした価値は――
 はかりしれないに違いありません。

 今後の球史に燦然と輝くことでしょう。