いい試合でした。
そして、嬉しい結果です。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝戦の日本×キューバは 10-6 で日本の勝利に終わりました。
野球の初代世界王者は日本です。
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今日の日本がみせた野球は、紛れもない日本野球でした。
こういうと、驚かれる向きもあるでしょう。
たしかに、今日の日本はミスが多発しました。そこだけを挙げれば、明らかに日本らしくない野球です。
が、よくみると、どのミスも人間らしいミスだったのですね。
人間の知性や意識で防げない――人間なら、いつかはやってしまう――そういうミスです。
それを、組織の力で、よくカバーできたのだと感じます。
精神的に支持し合っている日本選手の姿が印象的でした。
先発の松坂投手の投球も万全ではなかった――どちらかといえば調子は悪かったはずです。
が、今日の日本は松坂投手の個人技に頼り切りではありませんでした。早めの継投で、キューバ打線の反撃を要所で防ぎます。
そういう意味でも、組織の力で勝ったといえます。
だから――
TVでみているだけでも、すごく気持の良い試合でした。
世界に誇れる野球だと思います。
もちろん、終盤までハラハラドキドキの試合展開でしたが――それも楽しみのうちですよ。
最高級のエンターテインメントといえます。
この優勝は大きい――
日本の野球界にとってはもちろんですが、それだけではありません。
世界の野球界にとっても――
第1回WBCの優勝トロフィーを、国威発揚とも無縁で、拝金主義とも疎遠な日本野球が手にした価値は――
はかりしれないに違いありません。
今後の球史に燦然と輝くことでしょう。