今年の日本シリーズが集結した。
4勝1敗で日本ハム・ファイターズが中日ドラゴンズを破った。
44年ぶりの日本一である。
中日が勝てば52年ぶりであった。
が、ファイターズがリーグを制覇し、日本シリーズに進出したのは、実に25年ぶり――
ドラゴンズが2年ぶりであることを考えれば、ファイターズの日本一は、多くのプロ野球ファンにとって、感慨深い結果であった。
素直に、お祝いを述べたい。
とはいえ――
その後が、いただけぬ。
今のプロ野球は日本シリーズでは終わらぬ。
アジア・シリーズが待っている。
アジア・シリーズとは、日本、韓国、台湾、中国の代表チームが東京に集い、アジア・ナンバーワンの座をかけ、しのぎを削る大会だ。
日本、韓国、台湾は球界制覇チームが、中国は選抜混成チームが出場する。
にもかかわらず――
ファイターズには緊張感がない。
指揮を執るヒルマン監督や中軸打者の小笠原選手は、来季、ファイターズを退団することが決定的だという。
もちろん、退団はアジア・シリーズの後であろうが、最後の大一番を控える今の時期に報道されてよい話ではない。
それ以上に残念なのは、看板選手である新庄選手がアジア・シリーズの出場辞退を明言したことだ。
(そりゃ、ないよ)
と思う。
もちろん、新庄選手にも言い分はあるのだろうが――
日本一に輝いたチームの一員として、しっかりと最後まで責任を果たして欲しかった。
このふんだと――
アジア・シリーズに登場するファイターズは、おそらく、ベスト・コンディションではありえぬ。
去年は、ロッテ・マリーンズが日本球界のプライドを守ったが、今年は、どうか。
プライドに大きな傷がつきそうである。
韓国球界も台湾球界も、今や決して日本球界に見劣りはせぬ。
今年3月のワールド・ベースボール・クラシックでは、韓国代表チームが日本代表チームを2度も破っている。