マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

今の野球少年たちが羨ましい

 野球少年の小学生たちが、WBCの試合中継に見入っている様子を目にし、
(羨(うらや)ましいな~)
 と感じました。

WBC」というのは、野球の国(地域)別対抗戦――ワールド・ベースボール・クラシックWorld Baseball Classic)――のことです。
 今月初旬から、北中米や極東を舞台に開催されています。

 現在はアメリカでの2次ラウンドが大詰めを迎えているところ――
 2次ラウンドには、1次ラウンドを勝ち上がってきた8チームが、決勝ラウンドに進む4枚のチケットをかけ、凌ぎを削りました。

 日本代表は、きょう最後の4枚目のチケットを手にしたところです。

 出場している選手たちは、日本の球界を代表する超一流の選手たちばかりです。
 日本のプロ野球チームやアメリカのメジャーリーグ・チームでの中心選手たちばかりなのです。

 僕らが子供だった頃にも、各チームの中心選手たちが一同に会してゲームに出ることはありました。
 いわゆるオールスターゲームです。

「オールスター」というのは、「全てがスター選手」という意味で――
 元々はアメリカのメジャーリーグで催されるようになった祭典です。

 アメリカの野球少年たちの素朴な願望が形になったものといわれています。

 が――
 オールスターはWBCの比ではないのですね。

 オールスターゲームは所詮はお祭りです。
 真剣勝負ではありません。

 WBCは真剣勝負です。
 各国の球界の意地や誇りが激突します。

 超一流の選手たちが、自国の球界のために、白球を追いかける姿は、それだけで野球少年たちを魅了します。

 なぜならば――
 野球少年たちは、自分たちのことを、たぶん無意識のうちに「自国の球界」の一員に数えているからです。

 いうなれば――
 WBCは、野球少年たちにとって、超一流の選手たちが、自分たちの意地や誇りのためにも闘ってくれている――
 そんな錯覚を呼び起こすのです。

 これが大きい――

 野球少年たちが、超一流の選手たちと自分たちとが心の絆で結ばれているかのように錯覚できる――
 しかも、日本の全ての野球少年たちが、心を一つにできる――
 これほど幸せなことはありません。

 1980年代――
 プロ野球のTV中継に解説者として出演していた往年の名選手が、次のようにこぼしていました。

 ――僕は子供の頃、スワローズのファンだった。周りはジャイアンツのファンばかり――よくイジメられた。

 今は、そんな心配はいりません。

 WBCが開催される時期には、スワローズの中心選手もジャイアンツの中心選手も、同じチームになって、皆で無我夢中に闘ってくれているのですから――