幼少の頃は――
様々な年代の人たちと付き合える環境にはない。
例えば、学校の同級生は皆、同い年であり――
それら同級生の両親も自分の両親と、だいたい同い年であり――
それら両親の両親も自分の祖父母と、だいたい同い年である。
つまり、6歳から12歳の小学生にとって、世の中の人間というのは――
実質的には――
1)10歳前後
2)30代、40代
3)60代、70代
しか、存在しないようなものなのである。
よって、これら世代の狭間の年代――
例えば、20代とか50代とか80代とかとは、触れ合う機会に乏しい。
つまり、6歳から12歳の小学生にとっては、ほぼ存在しないも同然の世代――いわば「暗黒世代」――が、できあがってしまう――実際には、世代は0歳から100歳まで満遍(まんべん)なく散らばっているにもかかわらず――
「暗黒世代」の中身は、自分が10歳くらいだったときの20代、50代、80代の人たちだ。
僕は今、30代なので、僕にとっての「暗黒世代」は、今の40代、70代の人たちとなる。
だからであろうか。
最近の僕は、今の40代、70代の人たちに関心が向かっている。
自分にとっての「暗黒世代」に、付き合いの重点を置きたがっているようだ。
残念ながら、自分が10歳くらいだったときの80代の人たちというのは、文字通り、「暗黒世代」になってしまった。
生きていれば、100歳以上になる人たちである。
ここに光を照らすのは、今からでは、ちょっと難しい。
文献などを頼るしかない。