連日、熱帯夜が続いている。
たぶん、十分に眠れていないのであろう。
朝、起きると体がダルい。
そのダルさは、一日中、続いている。
いわゆる、夏バテの兆候だ。
少し食事を多めにとって、ゆっくり休養するのが、よいかもしれない。
が――
度をこせば、体重は、あっという間に5、6キロは増えてしまう。
何のための養生だったのか、わからなくなる。
ヒトの体は、実に面倒な造りになっている。
*
自分の体を、意識して制御しようと思うようになったのは、30代になってからだ。
10代や20代の頃は、
――体よ! オレについて来い!
と思っていた。
そのため、ずいぶんと無茶をした。
20代中盤から終盤にかけて――
体重が増えに増えて、体の随所に不具合を覚えた。
あの頃は、自分の体が、こんなにも面倒な造りになっているとは、まったく思っていなかった――
大学では医学を専攻していたにも関わらず――
*
たぶん――
30代になって、残された寿命を精一杯に生きようと思ったからこそ――
みえなかったものが、みえてきたのである。
自分の体の面倒な造りに、気が付いた。
――自分も、いつかは死ぬ身である。
ということの悟りは――
あらゆる局面で、重要な示唆を与える。