夏の昼下がりに喫茶店に入ってみれば――
いるわ、いるわ、受験生――
いや――
大学生や専門学校生のほうが多いかもしれない。
今日――
自宅近くの本屋に寄ったついでに、その向かいの喫茶店で涼をとったら――
たくさんの受験生ないし大学生、専門学校生に遭遇した。
つい気になって、チラっと手元を覗きみると――
――受験古文の要点
みたいな題字が目に入る――
かと思うと、
――炎症反応が全身に及ぼす影響
みたいなメモ書きも――
前者は、たぶん文系の受験生――後者は医療系の大学生ないし専門学校生であろう。
最近の学生は喫茶店で勉強しているのか。
それとも、僕が学生だった頃とて、そうであったのか。
僕個人は、家でやることが多かった。
喫茶店でやっていたら、集中できそうになかった。
もし、喫茶店で勉強していたら――
たぶん、入学も進級もできなかったろう。
そうしたら――
今の僕は、なかったことになる。
喫茶店で猛然と勉強できる人たちは――
少なくとも僕にとっては、異人であった。
さて――
そんな僕が喫茶店に入って、何をしたのかといえば――
既に読み終えた本を取り出して、気になる点や気に入らない点などを吟味する時間にあてた。
いうなれば――
やっても、やらなくてもいいような――かなり気楽な作業である。
僕にとっての喫茶店とは――
今も昔も――
体や頭を純粋に休めるところだ。