昨日、一昨日と、国公立大学の個別試験(前期日程)が実施されました。
報道によると――
悪天候のために、試験の開始を遅らせた大学もあったようで――
なかなかに想像し難いことが起こりましたね。
今ひとつ学力に自信のなかった受験生には、とんだハプニングに見舞われ、すっかり気が動転してしまったかもしれません。
今頃、
――雪のせいで落ちた~!
と呻(うめ)いている人がいるかも――(笑
とはいえ、長い目でみれば、天候に左右される程度の小差で合格を勝ち取ったとしても、あまり素直には喜べないのですね。
その後の大学生活が、かなりツラくなる可能性を無視できません。
大学受験生に与えられた課題は、試験で高得点を挙げることではありません。
その後の大学生活で土台となる学力を養うことです。
学力というのは、例えば――
日本語をしっかりと読む力、しっかりとした日本語を書く力――
英語で情報を正確に受信する力――英語で情報を自在に発信する力――
事実や論理に基づき、筋道を立てて考える力――その筋道をわかりやすく伝える力――
書籍に記された知見を自分なりに整理し、理解する力――その知見を活用する力――
などです。
こうした力が不十分でも、試験で高得点を挙げることは可能ですし――
こうした力が十分でも、試験では低得点に甘んじる危険が残ります。
試験はゲームです。
ゲームに強いか弱いかと学力の質の良し悪しとは、基本的には無関係です。
学歴で人間の能力を判断する愚かさは、ここの根差します。
学力の直接的な指標が学歴なのではありません。あくまで間接的な指標なのですね。
いってみれば、ゲームの結果に過ぎないのです。
大学入試センター試験というのがあります。
2月の下旬に行われる個別試験に先駆け、1月中旬に全国で一斉に行われる試験のことです。
この試験を、
――全国一斉・大ぬりえ大会
と呼称した人がいます。予備校の先生でした。
大学入試センター試験は、いわゆるマークシート方式なのですね。正解と思う選択肢の番号を、鉛筆で塗りつぶすのです。
試験がゲームに過ぎないことを、強く意識させてくれる冗談です。