マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

家族の要

 何気なくネットを閲覧していたら――
 蔵王の「お釜」の景色の写真が目に飛び込んできました。

 昔みた景色です。
 たしか小学生の頃に、一度、家族旅行で訪れています。

 それで、不意に思い起こしたのですが――
 僕は、家族旅行に良い思い出がないのですね。

 本当にないのです。

 一緒についてきていた妹には良い思い出らしいのですが――
 僕には、ぜんぜん良い思い出ではないのですね。

 理由はわかりません。

 もちろん、僕自身が幼い頃から外を出歩きたくない性分だったということもあるでしょうが――
 どうも、それだけではないようなのです。

 もしかしたら、父母と一緒なのがイヤだったのかもしれません。

 父と一緒なのはイヤではなく、母と一緒なのがイヤでもない――
 二人そろっているのと一緒なのが、イヤだったのですね。

 父母は、あまり親しげに会話を交わしていませんでした。
 母が何か話しかけても、父はつれない返事ばかり――

 一見、父が一方的に悪いようですが――
 あとになって、わかったことには――
 母は、当時から人の話をきかない人でしたから――(苦笑
 父がつれない返事を繰り返すには相応の理由があったのです。

 僕は今、独身ですが――
 家族の要(かなめ)は夫婦の会話であると――
 近頃、痛切に感じるようになってきました。