マスメディアは北京オリンピックの喧噪に包まれておりますが――
僕は、とくに興味をもつこともなく――
今日は、自宅近くの日々の生活圏から、少し足を伸ばして遠出をしてみました。
「遠出」といっても、徒歩での遠出なので、距離としては高が知れています。
車で行けば一瞬の距離です。
でも――
僕には、まるで別世界に思えたのですね。
およそ通った憶えのない4車線道路や、今時の郊外型ショッピング・センタ―の佇まいなどが、ひどく新鮮に映りました。
(ちょっと歩いただけで、こんな別天地が広がっていたとは――)
今の自宅に住むようになって、14年になります。
自宅の界隈には精通していると思い込んでおりましたが――
どうも、そうではなかったらしい――
人間の生活圏というのは、狭いものですね。
僕は、ふだん電車で1時間以上かけて勤めに出ておりますし――
また、ふた月に1度は東京などに出向いておりますが――
それでも、自分の知っている世界が、いかに限られていたかを痛感しました。
歩いて30分のところでも――
そこへ実際に歩いていかなければ――
東京・仙台間の隔たりを、優に凌ぐのです。
もしかすると――
マスメディアがオリンピックの喧噪に包まれている今ならば――
北京・仙台間の隔たりだって、凌ぐのかもしれませんよ。