今日のネット・ニュースなどで、
――ロシアがグルジアに猛攻撃!
との見出しを目にし――
思わず、
(50年前の話かよ)
と訝ってしまいました。
一昨日から、黒海東岸のグルジアという国の、南オセチア自治州というところで、血なまぐさい騒動が起こり――
今日になって、それがロシア対グルジアの国家間全面戦争に発展しそうだというのです。
「国家間全面戦争」とはいっても、ロシアやグルジアは、もとはソビエト連邦の構成地域でしたから――
内戦の様相を引きずっているようにも感じられます。
が――
両国とも今は完全な独立国なのですから――
歴史的経緯を軽視すれば、やはり「国家間全面戦争」なのです。
反世紀前の悪しき遺物が、唐突に掘り出されたような印象をもちます。
歴史は繰り返される……ものらしい――
*
たった今、聞きかじった知識によると――
ロシアとグルジアとは、ソビエト連邦が瓦解した直後から、南オセチア自治州の独立運動をめぐって、対立を深めてきたようです。
血なまぐさい騒動も、今回が初めてではなかった、と――
昔からの因縁なのですね。
それでも――
この騒動で民間人を含む1500人近くが亡くなったらしい、との報道に触れると――
暗澹たる気持ちになります。
亡くなった人たちの中には、死ぬ必要など全くなかった人たちが多く含まれていたことでしょう。
とはいえ――
これが、おそらくは生物種としてのヒトの特質ですから――
今さら、どうしようもないとも感じます。
ヒトは、放っておけば必ず殺し合うものなのです。
だからこそ、今日の地上での繁栄がある――そのように、僕は考えています。
今回の騒動の背景にあるものは、石油に絡む利権のようです。
国家間戦争というものは、一般に、経済的な利権に国家の沽券が乗じることで激化します。
反戦思想の根拠にされるのは、しばしば、この「国家の沽券」の虚しさですが――
戦端の契機は、多くの場合、「経済的な利権」です。
戦前の日本もそうでした。
軍部が太平洋戦争(大東亜戦争)に踏み切ったのは、石油に絡む利権の確保が目的です。
その後、大日本帝国の纏う沽券への拘泥が、陰惨な総力戦を強いたのでした。
どうして、こなってしまうのですかね。
損をしたって、いいじゃないですか――
損をしないために殺し合うなんて、おかしいじゃないですか――
我が身我が国の幸運を噛み締めつつ――
やはり、愚痴を吐露せずにはいられません。