昨日の『道草日記』で――
組織の力はリーダーの在り方によって 10倍にも 10分の1 倍にもなると述べましたが――
このことは、日頃、リーダーの役割を担うことが多い人には、いまひとつ実感しづらいかもしれません。
むしろ――
日頃、リーダーを支えたり、その下で力を出す側の人々には、実感しやすいことだろうと思います。
実は、リーダーの在り方というものは、組織の末端から見上げるほうが、よくみえるものなのです。
もちろん、ただ見上げているだけではダメでして――
常にリーダーの在り方に関心をもち、その理想的な姿についての様々な意見を見聞きしていることが必要条件です。
いわゆるリーダー論の素養を備えた人が、組織の末端から見上げるとき――
最適のリーダーの在り方がつかめてきます。
当たりの前のことですが――
リーダーの在り方は一つではありません。
至適のリーダー像というのは、組織の個性に依存します。
組織の個性とは、そこに所属する人々の一人ひとりの個性に由来するものです。
そうした組織の個性は、リーダーにはみえにくいものです。
組織の中枢から末端への見通しというものは、通常、そんなによくはないのですね。
至適のリーダー像が組織の末端からみるほうがつかみやすい理由も、そこにあります。
そんなことはない、情報は中枢に集まってくる――
そうお考えの向きもあるかとは思いますが――
たしかに、組織の外部からの情報は集まってきます。
が、内部からの情報は、そんなには集まってきません。
たまに集まってくることはあっても、情報に偏りのあることが多いのです。
組織の末端にいる者にとって、リーダーというものは諸刃の剣です。
下手をすると、刃は自分のほうに襲いかかってきます。
組織の内部の情報が中枢には容易に集まっていかない理由が、そこにあります。