組織の力というのは――
そこに所属する一人ひとりの力の単純な和になることもあれば――
そうはならないこともあります。
例えば――
A、B、C、…、J と10人からなる組織があったとして、これら個人の力が 1 だったとしましょう。
このとき、組織の力は 10 になることもあれば、12 とか 100 とかになることもある、ということです。
場合によっては、8 とか 1 とかになってしまうこともあるでしょう。
単純な和が 10 のときに、それを 12 や 100 にしたり、あるいは、8 や 1 にしたりするかどうかは、組織を束ねるリーダーの力量次第です。
優れたリーダーは 10 を 100 にし、劣ったリーダーは 10 を 1 にします。
10 を 12 や 8 にするだけならば、まあ、どっちだっていいと思うのですよ。
リーダーという地位は、あってもなくても、いいものなのかもしれない――
が――
現実には 100 にも 1 にもなりうるから、恐ろしいのです。
リーダーの力量次第で、本当にどうにでもなってしまう――
この認識が大事だと思うのです。
10 が 12 や 8 になる程度だと思ってリーダーの在り方を論じるのは――
最大の速さが自転車並だと思ってバイクの乗り方を論じるに等しいでしょう。
大変に危険なことです。