――今日のうちにできることは明日にまわすな。
といったりしますね。
反対に、
――明日にできることは今日のうちにやってしまうな。
といったりもします。
どちらが正しいのでしょうか(笑
何となく、「今日のうちにできることは明日にまわすな」のほうが原典で――
これに皮肉を交えて反論したものが「明日にできることは今日のうちにやってしまうな」だろうと思っていますが――
本当のところは知りません。
時間の大切さをかみしめるならば――
「今日のうちにできることは明日にまわすな」という警句は、よく理解できます。
やるべきことがあるうちは、寸暇を惜しんででもやってしまえ――
でないと、あとで慌てることになるぞ――
ということですよね。
時間の効率的な活用に長けている人が、しばしば実践していることのようです。
が――
そうした時間活用術に神経質になりすぎて――
かえって、時間に追いまくられ、逆に心のゆとりを失っているような人もいます。
そういう人にとっては、「明日にできることは今日のうちにやってしまうな」という警句にも、一理あるように思います。
つまり――
この警句は時間の大切さを別の角度から説いているといってよいでしょう。
では、どちらが正しいのか?
いよいよ、わからなくなってきますね(笑
まあ、
――どちらも正しい。
といって、お茶を濁すこともできますが――(苦笑
思うに――
やはり「今日のうちにできることは明日にまわすな」のほうが、正しいのだと思います。
この警句は、時間の大切さを説いているというよりは――
未来の不確かを説いているとみなせるのです。
今日のことは明日よりは確からしく、明日のことは今日よりは不確かである――
仮に今日「これは今日でなく明日でもできそうだ」と見通しを立てても、その見通しは明日には覆るかもしれない――
そういうことを説いているとみなせるのです。
この見解によれば――
「明日にできることは今日のうちにやってしまうな」という警句は、今日のことよりは不確かであるはずの明日のことを軽々に断定してしまっているところが致命的――
ということになります。