先日、電車に乗っていたら――
ちょっとカンタンには見過ごせないような可愛らしい女の子がいたのですよ。
たぶん10歳くらいです。
可愛らしいというのは、容貌もそうだったのですが、どちらかというとファッションが可愛らしかったのです。
今の自分の年代の魅力が十分にわかっていると思わせるような――そんなファッションです。
怪訝に思ったのは――
その女の子の傍にいた中年男性です。
たぶん、父親なのですが――
これがゼンゼンふさわしくない容貌であり、かつファンションだったのです。
ふさわしくないというのは、その女の子の父親としてふさわしくない、ということですよ。
下腹部の中年太りが目立っていて、かつドブねずみ色のジャージに肌色の腹巻きみたいな格好で――
もっと怪訝だったのは――
この父娘(おやこ)――すごく仲が良さそうにみえたということです。
可憐な服装の女の子が、中年太りの男の腹周りを、
――パパ! パパ!
と駆けずり回っている、みたいな――(笑
非常に不思議な父娘の光景でした。