友人や知人から、
――結局は離婚することになったのよ。
とか、
――その彼女とは別れることにしたんだ。
とかいった話をきくと――
その話は一昔前のことなのだと、僕は思ってしまいます。
一昔前というのは、ざっと10年です。
ですから、そのつもりできいているのですが――
よくきいているうちに――
実は、それが先月のことだったり去年のことだったりするとわかるのですよね。
僕などは、
(え? このタイミングで話しちゃって平気なの?)
なとと思うのですが――
そういうことが、けっこう頻繁にあるものですから――
おそらくは、僕の感覚のほうがズレているのでしょう。
僕は、自分の別れ話には、できるだけ触れません。
話さなければならない相応の理由がある場合――例えば、話し相手に直に訊ねられたり、会話の流れの必然がある場合――を除けば――
まあ、10年は触れません。
が――
平均的な感覚としては、そうではないように思います。
多くの人が、
――自分の別れ話には、できるだけ早めに触れておきたい。1ヶ月あるいは1年くらいのうちに――
と考えているらしい――
というのは――
友人や知人から10年前の別れ話をきくということは滅多にないのですよ――たいていは先月や去年のことなのです。
その理由は何なのか――
早く自分から話してしまって楽な気持ちになりたい、ということかもしれませんが――
10年前の別れ話よりも先月や去年の別れ話のほうが面白い、ということかもしれません。
「鉄は熱いうちに打て」ならぬ、
――別れ話は熱いうちに語れ。
ということでしょうか。
――それが嫌なら永久に語るな。
ということなのでしょうね。
たしかに、そうかも――
そういえば――
先月や去年の別れ話をうっかりしちゃったことは、僕にもありました(笑
本当は話したくなかったんだけど――
あまりにも相手が興味津々だから、つい話しちゃうんですよね(笑