夕方、街中を歩いていたら――
ショートパンツの女性が目の前を歩いていました――男性と手をつないで――
朝晩の冷え込みには冬の様相が感じられるというのに――
ショートパンツですよ。
元気ですね。
しかも、タイツなどをはくこともなく、素肌をみせつけていましたよ。
まだ二十歳前後でしょうか。
かなり若い――
スタイルがよく、表情も柔らかです。
一見して、
(あ、これはモテるな)
と思わせるオーラを背負っていました。
頭にはベレー帽のアクセントなどもあったりして――
で――
そういう女性が手をつないでいる男性ですから、さぞかしエレガントな男性かと思いきや――
ちょっと太めのポッチャリ坊やなのですね――目が細く、頬は膨れ、まるで子豚さんのよう――
(ええ~!)
と思いました。
が――
よくみると――
ファッションは十分にエレガントなのですよ。
エレガントでないのは、体型や顔立ちだけ――
明るめのグレーのパーカーをはおったその下に、原色の赤のシャツをしのばせて――
パーカーには濃紺の柄が細かく描き込まれていて、全体的に浮ついた雰囲気がなく――
こうした色合わせには計算が必要でしょう。
感覚だけで押し切ると、ウルサいだけの彩りなってしまいますからね。
(やっぱりね)
と思いました。
こうでなければ――
あんな女性が手をつなぐわけはない――
努力してるんですなあ――
あの坊やも――(合掌