カラオケなどで唄を歌うときに――
僕ら素人は、決められた旋律に、決められた歌詞を乗せようと頑張ります。
その乗せ方が巧いと、
――あの人は歌が巧い。
となる――
乗せ方が下手だと、
――あの人は音痴だね。
となるわけですね(笑
ところが――
いわゆるシンガーソングライターは、自分で決めた旋律に、自分で考えた歌詞を乗せるのですよ。
これは、ちょっと考えると、かなりスゴいことだとわかります。
喩えていうならば――
僕ら素人は、レールの上の列車を上手に運転できればいい――
けれど――
シンガーソングライターは、レールを敷いて、列車を作って、それを上手に運転しなければならない――
鉄道工事の機器や資材だけを手に、一人、荒野に躍り出て、
――さあ、これから上手に列車を運転しよう。
というようなものですね。
進むべきレールも運転すべき列車も、最初は何もない荒野なのです。