マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

想像力は非常識を拒まない

 人は、ひとたび非常識な状況に慣れてしまうと――
 感じることや考えることも非常識になっていくようです。

 例えば――
 ちょっとしたことで誰かが目の前で命を落としていくような状況に慣れてしまうと――
 その人の感じることや考えることは、そうした状況に応じたクセを帯びていく――

 それこそ――
 些細なミスで命を落としていった人をみて、思わず吹き出してしまう、というように――
 まるで、バナナの皮で滑って転んだ人を笑うかのように――

 そうやって笑うような人をみて――
 さも良識人らしく眉をひそめてみせるのは、わりと簡単なことです。

 そんなに簡単ではないことは――
 自分も、そのような状況に置かれたら、必ずや、そのように感じ、考えるようになっていくであろうことを――
 強い実感をもって理解することでしょう。

 そのような理解を可能にするのが、想像力です。

 想像力のある人は、非常識な言動に終始する人が相手でも――
 その人を頭から否定してかかったりはしないものです。