マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

やがて死にいく身であることを

 日本のTVドラマや映画などで、登場人物が親しい人を亡くすくだりでは――
 亡くした後に、一人になって声を出して泣いたりするシーンがみられますが――
(ちょっと、これはどうかな……)
 と思うことが多いのですよね。

 声に出して泣く登場人物が、あまりにも無邪気に泣いているようで、興が醒めるのです。
「無邪気」にというのは――

 ――まるで自分は死ぬことがないことを確信しているかのように――

 ということです。

 子供がそのように泣くシーンなら、
(まあ、いいか)
 と思えるのですが――
 いい歳をした大人がそのように泣いているシーンには、違和感を覚えます。

 現実の世界で、そのように泣いている人は、いないのではないでしょうか。

 泣くにしても、もっと押し殺して泣いている――

 当然です。

 この世のすべての人が、自分自身も含めて――
 やがて死にいく身であることを悟らずには、いられないのですから――