マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

語義矛盾を指摘されたことが

 仕事で「任意」という言葉を使おうとして、
(あれ?)
 と思ったのですね。

「任意」とは、簡単にいえば、

 ――どれでもいい。

 という意味ですが――
 文脈によっては、意外と誤解を生みやすいのです。

 大学時代に、レポートで、

 ――任意の特定の数

 と書いて怒られたことがありました。

 ――「任意」なのに「特定」というのは矛盾だ。

 という主旨です。

 書いた本人は、

 ――任意に定めたら、あとは変更しない。

 という意味で書いたのですが――
 そうは受け取ってもらえなかったのです。

 無理もありません。

 前後の文脈を無視し、「任意の特定の数」という文言だけをみたら、明らかに語義矛盾ですものね。

 それ以来、「任意」という言葉を使うときには自然と警戒心が生まれるようになり――
 ついには、積極的に使うべきところでも、つい二の足を踏むようになってしまいました。

 大学時代の僕は、語義矛盾を指摘されたことが、よほど悔しかったのですね(笑