死への直観というのは――
つまり――
自分自身の生死のことに関する直観というのは――
とてつもなく鋭いに違いない――
と思っております。
例えば――
自分は、今、病を得て死つつあるのか――
それとも、しばらくは生き長らえそうなのか――
そういうことを――
人は無条件で察知するものです――主には、自分の周囲の人たちの言動をもとにして――
医療の現場では――
そうした人の直観の鋭さを否定的に捉える向きはありますが――
僕は肯定的に捉えるほうが、はるかに賢明だと考えております。
その鋭さを信じてあげることが、その人へ示しうる最も基本的な敬意である、と――
逆にいえば――
その鋭さを信じないということは、最も根源的な侮蔑になりうる、と――
医療従事者でなくても――
気をつけたいところです。