マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

何かについて語るときに

 何かについて語るときに――
 その「何か」について深く考え続けた人にしか語れないことというのがあるのです。

 深く考え続けたわけではない人には、絶対に語ることができないことです。

 深く考え続けるというのは、簡単なことではありません。

 おそらくは――
 どんなに優れた学者であっても、そのような考えの対象となりうる主題というのは、せいぜい2つか3つでしょう。

 したがって――
 何かを語りたいと思う人は、自分にとってのそのような主題は何なのかを、まず自分自身に問わなければなりません。

 それ以外の主題では、ほとんど意味のあることは語れないからです。

 そのような主題を持ち合わせていない人は、どうするべきか。

 残念ながら――
 その人は語ることを見合わさねばなりません。

 ずっと黙っていなければならない――
 一生の間ずっと――

 それが嫌ならば――
 深く考え続けなければなりません。

 そのためには――
 自分にも深く考え続けられるような主題を探し、見つけだす――

 もちろん――
 そんなものが簡単に探し出せるわけではありませんよ。

 何事もそうですが、

 ――言うは易く、行うは難し。

 です。