マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

感情に訴えるコミュニケーションは

 感情は出すものではなく、滲ませるものです。
 あるいは、爆発してしまうもの――

 感情は、それを抑えたり隠したりすることで、より一層、強烈なメッセージになりえます。

 感情に訴えるコミュニケーションは、宝くじで生計を維持しようとするような話です。

 宝くじに当たれば、たしかに当面は生計を維持できますが――
 ふつうに外れてしまえば、ムダに費用をあてた分だけ、生計が苦しくなります。

 感情に訴えるコミュニケーションも同じです。

 たまたま同じ感情を共有できたら、深いコミュニケーションがとれますが――
 ふつうに感情がスレ違えば、ムダに本音をさらした分だけ、コミュニケーションはギクシャクします。

 感情が相手に巧く伝わることを計算していたのでは、感情をコミュニケーションに活用することはできません。

 感情は相手に伝えるものではなく、相手が勝手に察知するものです。

 そこには、深刻な不確定性が介在します。

 その不確定性も考慮に入れて計算をする分には、かまいませんが――
 人の知性は不確定性を正確に評価できるほどに逞しくはありません。