――世界の秘密
という言葉が好きなのですよ。
何となく気になっている――
「世界の秘密」というと、その「秘密」は、世界に一つしかないように感じますが――
そうではありません。
世界の秘密は、いくらでもあるのです。
人の数だけある――
いいえ――
人が世界の秘密をみつけようと思ったときと同じ数だけあります。
世界の秘密は、日常生活の周りに溢れているのです。
例えば――
コップの水を飲み干すときの人のノド仏の動きだったり――
気になる異性とウマい具合に仲良くなるコツだったり――
円の直径がわかれば円周の長さがわかる理由だったり――
心地よいメロディとそうでないメロディとの違いだったり――
世界の秘密は――
それを見出そうと思っている人にとっては「秘密」なのですが、
――そんなの、どうだっていい。
と思っている人にとっては、単なる些事です。
簡単なことで見逃してしまう――
世界の秘密を見逃し続けていたならば――
世界は大変に味気のないものでしょう。
逆に、世界を大変に味気のないものに感じているときは――
世界の秘密を見逃し続けているときに違いありません。
だから――
僕は、世界の秘密が気になるのです。
今の自分は、それらを見逃し続けていやしないか、と――