先日、電車に乗り遅れました。
慌ててホームに駆け込んだら――
電車が5メートルくらい動いていました。
とても不思議な感覚です。
何しろ、手を伸ばせば電車の扉が届いてしまう距離なのですから――
でも、それは、もはや取り返しのつかない距離なのですよね。
日常生活を送っていると、タッチの差で間に合わないということは、よくあります。
電車の乗り遅れは、その卑近な例です。
ところで、
――あ、間に合わない!
という思いは――
なぜか間に合わなくなったことが確定してから強くなります。
もう間に合わないことが確実なのに「あ、間に合わない!」と思うのですね。
過去形ではなく、なぜか現在形ないし未来形で迫ってくる――
人の時間認識は、かなり曖昧です。